入れ歯と口腔リハビリテーション

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入れ歯と口腔リハビリテーション

歯科医師 糟谷政治

要介護高齢者の入れ歯が合わなくなったので入れ歯を治す・入れ歯が無いから入れ歯を作るだけでは、物が食べられません。身体に障害を持った要介護高齢者は口腔にも障害が有ります。麻痺や抱縮などで、舌が前後左右に動かない方は食物の咽頭への送り込みができず、そのため食物を口にいれたまま飲み込むことができません。
また、麻痺や抱縮などで口唇の閉鎖が確りできない方は食物をこぼしたり、口唇の閉鎖不全のために嚥下が上手に行えません。片麻痺の方は麻痺側の頬側に食物残渣が溜まってしまうなど、口腔の機能低下のために摂食・咀嚼・嚥下の各工程に不全をきたす場合が多くあります。

リハ(リハビリテーション)というと、身体のリハだけと思われがちですが、上記のように口腔にも障害が有るため、ただ入れ歯を治すのではなく、口腔周囲のリハビリテーションが必要となり、この口腔リハを行っていくには、舌や頬や口唇の機能不全を的確に診断する歯科医師・歯科衛生士が居なければなりません。
幸いにも白梅ケアホームには歯科衛生士(柳林愛)が5年前から常勤となりましたので、私ともう一人の歯科医師が作製(治した)入れ歯を口腔リハビリテーションの道具として歯科衛生士がリハを実施し、作製した(治した)入れ歯が有効に活用できるように、少しでも機能の亢進に努めています。

最初は他動的なリハですが、要介護者自身での機能亢進のためのリハ。
例えば、上下の入れ歯を合わせるカチカチ運動(タッピング運動)、上下の入れ歯をカチカチ合わせるだけで、脳血流は増加します。江戸時代の医師の貝原益軒の養生訓にも「1日30回歯をカチカチ合わせると良い」と書かれています。
このカチカチ運動、これが咀嚼へと繋がると身体の回復も目を見張るものがあるようになります。

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