研究論文 THESIS

白梅会グループが行っている
研究発表会の研究論文を公開しております。
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  • "むくむ足"!なんとかしたい -自主訓練でできること-
    2014.12.29医療法人社団 / 白梅会 / 介護老人保健施設 / リハビリテーション科

    白梅ケアホームでは、介護老人保健施設併設の通所リハビリテーションと診療所併設の通所リハビリテーションを行っています。そこで行う通所リハビリテーションは、要支援および要介護1~5の介護認定を受けた方を対象に御利用者の身体及び認知機能に応じたリハビリテーションプログラムを立て、自宅での生活ができるだけ快適になることを目的に取り組んでいます。しかし、時間に制限があるため、浮腫を抱えている御利用者に適切なリハビリテーションを提供できない状況がありました。そんな中御利用者から「このむくんだ足は何とかならないか」という声を頂きました。そこで御自宅で実施できる自主訓練プログラムを作成し、指導を行いました。今回その自主訓練の実施状況と浮腫の変化を調査しました。また調査結果をADL評価法のひとつであるFIM(機能的自立度評価表)を用い、分析しました。

    結論として、自主訓練プログラムを効果的に実施するためには、FIMの認知項目が低値の方には、通所リハビリテーション利用のたびに声かけを行い、継続できるように働きかけることが必要であると思われます。FIMの運動項目が低値の方には、御利用者だけではなく、御家族の協力が得られる場合はマッサージ強化のプログラムが必要であることがわかりました。

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  • 誤嚥性肺炎を予防するために ~経管栄養に半固形化栄養剤を導入して~
    2014.12.02白梅県居ケアホーム / 看護課 / 栄養課

    当施設では、経管栄養は、液体栄養剤を使用し実施してきた。液体栄養剤を使用した利用者の入院時に栄養剤の逆流による誤嚥性肺炎を発症し、再入所に医師から液体栄養剤から半固形化栄養剤による注入を行い、誤嚥性肺炎の予防に努めたらどうかという指導があった。そこで文献検索を行ったが、エビデンスレベルの高い報告は見当たらず、ガイドラインも存在しなかった。
    しかし、資料を確認していくなかで、半固形化栄養剤は誤嚥性肺炎の原因となりうる逆流が起こりにくく、注入の時間が短いという報告が散見されたため、医師、栄養課と協議のうえ導入に踏み切った。

    結論として、「液体・半固形栄養剤を共に使用したことでそれぞれに特徴があり、利用者の状態に合わせた選択が重要であることが分かった。半固形栄養剤の臨床的効果についてのエビデンスレベルの高い報告はいまだ少ないと言われているので、今後も情報収集や実践における検討を繰り返し、安全性を踏まえた誤嚥性肺炎の予防に努めることにとどまらず、経管栄養者のQOLをより高められるケアを提供していきたい。」と述べられています。

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  • 家族と施設の架け橋を目指して
    2014.10.29白梅豊岡ケアホーム / 相談室 / 白梅豊岡病院 / 事務局

    受付・相談業務をするなかで、ご家族から入院・入所生活の心配や不安な事、要望を聞くことがある。請求のこと、環境や体調のこと、伺う話は様々である。白梅豊岡病院(以下、病院)は開設から10年目、白梅豊岡ケアホーム(以下、老健)は9年目を迎えるが、ご家族が満足のいく施設サービスを提供できているか不安に感じることもあった。そこで、ご家族の意見を伺うことや交流を深めるため、施設の取り組みを理解していただくため、平成25年から家族交流会を開催した。

    今回の研究では、ご家族へ職員とのコミュニケーションに対する意識調査を実施。職員へもアンケートをとり、ご家族とのコミュニケーションが図れているのか把握する。

    結論として、「今回研究をすることで、ご家族から施設はどのように映っているのか、ご家族と職員間のコミュニケーションに対しての意識について、現状を把握することができた。家族交流会を始めたことで、ご家族に施設のことを知ってもらい、さらに、内容に対しても満足のいく結果が得られたことは成果ではないかと感じている。また、家族交流会に参加した職員の半数以上が、家族交流会後ご家族から話しかけられるようになった、お礼を言っていただいた等の反応があったと感じていることも成果である。」と述べられています。

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  • 皮ムケ0(ゼロ)を目指して -利用者様の生活を見つめ直そう-
    2014.10.03医療法人社団 白梅会 介護老人保健施設

    介護老人保健施設は、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために医療・看護・介護・リハビリ・口腔衛生・栄養など多方面から援助をする施設です。高齢者の特徴のひとつにわずかな刺激でも皮膚剥離を起こしやすいという点があります。本研究は、車椅子を使用時に一番起こりやすい仙骨部の皮膚剥離に関して、高齢者の生活に目を向けて検証をしたものです。

    結論として、「痛みが出て姿勢を崩す前に、こまめに(リクライニング車椅子の)角度と姿勢を一緒に変えること」が大切であることにわかり、また「臥床時の体位変換や車椅子乗車時の姿勢、クッションの使用以外に食事の摂取量も重要である」ことに気が付いたと述べられています。

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  • 認知症の行動・心理症状に対する効果的な対応を考える
    2013.04.23医療法人社団 白梅会 グループホームハ-モニー

    グループホームは、認知症高齢者の入所施設です。その1番の基本テーマは、認知症により生じる様々な問題行動(BPSD)にどのように対処するかです。本研究は、そのテーマに取り組んだものです。利用者から対象者を2名選び、その人のBPSDに対して具体的な対応を行って、その結果を検証しています。
    結論としては、「その人のマイナス面だけではなく健康な側面や個人の生活史を配慮し、個人を包括的にとらえて介入することが大切だと気づいた。」と述べられているように、BPSDへの対処は一様でなく、個人個人のきめ細かい対応が必要とされるという基本的な言葉が述べられています。研究のプロセスを読み解き、認知症者への対応の一助になれば幸いです。

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  • 新人介護士指導教育について~プリセプターシップを導入して~
    2013.04.19白梅豊岡病院 介護課

    本論文は、病院内における介護士の新人教育として、プリセプターシップを導入し、実践した結果をアンケート調査を行って検証したものである。まだ、導入してから2年と日が浅いため、目だった成果は報告されていないが、導入当初から、このような意識調査を行うことにより、システムを改良する視点が見えてくる。その意味で貴重な資料といえよう。システムは完成の途上にあり、大切なことは、引き続き研究を継続してシステムを進化させて、職場の業務に有効化させることである。
    アンケート調査は、次の7項目について、「プリセプターとアドバイザー」と「プリセプティ」と「その他の職員」の三者の立場に分けて実施した。
    ①プリセプターシップについて、②新人行動計画表について、③介護技術チェックリストについて、④面談の実施について、⑤プリセプター会の実施について、⑥1日の指導者について、⑦1日の反省について。 プリセプターシップの導入を考えている施設では、ぜひ、ご覧いただきたい。

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  • 個別レクリエーションを目指して
    2013.04.19白梅ケアホーム 介護職員、介護福祉士

    本論文は、職場のレクリエーションを個別性の視点から見直した研究です。集団レクリエーションではADLのレベル差もあり、全員に同じ内容の援助を提供する事に限界を感じ始めていた。そこで、利用者様一人一人に楽しみや生きがいを感じる事が出来る研究を行いました。
    内容は、フロアーの入所者全体と対象者2名に絞った2段階の調査を行っています。レクリエーションは個人の好みがあり、上手くいった内容と、継続できなかった内容があり、試行錯誤によって個々人の興味を持った内容を引き出しています。職場のレクリエーションを考える上で、参考にしてください。
    なお、入所者個別のアクティビティを考える際には、オーストラリアで発生した「ダイバージョナルセラピー」(「全人的ケアの実践―ダイバージョナルセラピーのすすめ―」)が参考になります。あわせて、参考にしてください。

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  • 真の終末期ケアとは何かを模索して
    2013.01.10白梅県居ケアホーム看護・介護士

    老健施設での看取りの実践や取り組みは、各施設によって様々であり,個々のケアスタッフの経験に基づき、試行錯誤が重ねられているのが現状であると言われている。ケアの現場では、入所者や家族にとって本当に満足のいく穏やかな最期を迎えることができるのだろうかという様々な葛藤や迷いの中で、看取りへの取り組みが計画されている。
    今回、開設後、間もなく急変した入所者の看取りケアを体験し、尊厳を護り、優しい心地よいケアは、利用者本人と家族の参画なくして実践には結びつかないことを学ぶことができた。これらの経験から、入所者の最期をこの施設で迎えられて良かったと家族が思えるような関わりを、丁寧に積み重ねることが真の看取りケアの実践となり、介護施設の組織文化醸成に繋がると確信できた。

    【研究動機】

    当施設は、2012年4月利用者の尊厳を護り、優しく心地よいケアの提供をめざし、開設した。加えて、医療依存度を有する利用者の受け入れを基本としていたので、インシュリン治療、認知症、経管栄養・尿留置カテーテル管理などの入所者を積極的に受け入れ、介護未経験職員が4割を占める中で運営を始めた経緯がある。
    開設前から、基本的なケアにかかわる様々な職員教育の実施、終末期における看取りケアへの取り組みとして、終末期基準・手順、同意書等を整備してきた。しかしながら、突然の急変を伴った看取りに関わりを有したスタッフから、もっと良いケアの選択があったのではないか、これで良かったのかという葛藤や迷いの言葉が聞かれた。
    そこで、今回、学ばせていただいた2事例のケアを現象として捉えた分析を実施し、今後のケアに活かしたいと検証した。

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  • 老人保健施設におけるBerg Balance Scaleの試み
    2013.01.10白梅ケアホーム リハビリ科

    Berg Balance Scaleとは、Berg Kらによって1989年に報告された14項目からなる総合的なバランス能力評価である。満点は56点で、療養型医療施設では、おおよそ0点~34点が車椅子レベル、34点~42点が歩行補助具使用レベル、42点以上を補助具なしレベルと報告されている。
    本研究論文は、このScaleを使って老人保健施設での入所者の歩行補助具の適切性を検証しようと試みたものである。 対象者14名の14項目を詳細に調査し分析を通して検証している。結果は現在使用されている歩行補助具はほぼ妥当だと結論づけている。本研究は業態を問わず、どこの施設でも参考になる普遍性を有している。

    【研究動機】

    老人保健施設の入所者には様々な歩行レベルの方がいる。リハビリ科では個々に合った歩行補助具を選定し、安全な日常生活が送れるよう支援している。そこで、わたくしたちが選定している歩行補助具は適切か、評価スケールを用い検証することとした。

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  • 多職種連携による専門性を活かした食前体操の取り組み
    2012.11.06白梅豊岡ケアホーム リハビリ課・歯科・栄養課

    人間にとって生活すること、そのことがリハビリにつながる。生活リハビリの視点が重要なのは言うまでもない。特に食事は生活者にとっての大きな楽しみである。そこで昼食前に多職種連携によって考案した「白梅ハリモリ体操(生活にハリをだし、元気モリモリ、ご飯もモリモリ!)」を実施することによって様々な良い影響が生じている。
    「白梅ハリモリ体操」は身体機能・口腔機能・認知機能に対するアプローチから成り立っているが、今回の研究は、主として認知機能にどのような効果を与えたかを検証した。結果、食前体操のような定期的な「運動を含む活動」の習慣づけが認知機能の改善に効果をもたらしたことが証明できた。ぜひ、一読して生活リハビリに活用していただきたい。

    【研究動機】

    当施設では本来の老健の機能である「生活期リハビリテーションの充実」にむけ、リハビリ専門職による週2回の個別リハビリや、多職種協働での生活リハビリを実施してきた。そして、より心身の機能を維持・向上していくため、定期的な運動を含む活動の習慣づけが必要であると考えた。そこで、同じように食前の嚥下体操を定期的に実施する必要性を感じていた歯科・栄養課と連携し、それぞれの専門性を活かした食前体操を考案した。この体操を、「生活にハリをだし、元気モリモリ、ご飯もモリモリ!」という思いを込めて「白梅ハリモリ体操(以下、本体操)」と名付け、2011年4月より実施している。本体操を継続して実施していく中で、個別リハビリへの拒否がほとんどみられなくなる等の入所者の変化やスタッフ間にも良い影響がみられた。今回の研究の目的は、これらの取り組みによる定期的な「運動を含む活動」の習慣づけが及ぼす認知機能への効果を検証することである。さらに、入所者の変化や、多職種連携で実施したことから得られた影響も合わせて報告する。

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  • 活気のあるレクリエーションを目指しての取り組み
    2012.09.20白梅ケアホーム・内田記念医院 通所リハビリテーション

    本研究は、通所リハビリテーション利用者を対象にしてレクリエーションの活性化を試みたものである。

    内容は、3種類のゲーム(ボーリング・的当て・魚釣り)を行い、個人の競争心理に着目し、やる気を起こさせるための動機付けを行ったのが特徴である。

    その結果を利用者及び職員に対してアンケートを行って検証した。利用者の意見では、個々人の好みを把握することの大切さが浮き彫りになった。職員の意見では、毎回個人の得点表に数字を書き込み、それを掲示することによって、レクの結果が目で見えるようになり、改善や工夫ができるようになった。

    研究結果から利用者全員がレクを楽しんでいるとは限らないことを認識し、個々人に対するきめ細かなレク開発とその対応方法が必要になることを確認して今後の課題とした。

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  • 介護老人保健施設における食事支援チームの取り組み
    2012.08.24白梅豊岡ケアホーム 看護部・介護部・歯科合同チーム

    食べることは生きることである。生きるには食べなければならない。
    ここで言う「生きる」とは人間らしく生きることである。生かされることではない。自らの口で食べる行為は自分らしく生きるための基本である。本研究はこの基本である「口から食べ物を摂取する」という支援をPT・OT・STなどのリハビリの専門家ではなく、歯科衛生士が中心となり医師、看護師、介護福祉士、管理栄養士、薬剤師などがチームを組んで改善を行った記録である。研究の中心テーマは、口腔ケアによる安全な経口摂取方法にフォーカスして、体重・要介護度・嚥下障害の有無・発熱回数を検証項目として2年間にわたって改善状況を調査した。
    結果として、体重・要介護度の維持回復、発熱回数の減少がみられたので、食事摂取援助の参考にしていただきたい。

    【研究動機】

    介護保険施設の常勤歯科衛生士として何ができるのか、何をしていくべきなのか?
    入所者の口腔の清潔を保つため、口腔ケア技術の見直しや職員研修などを実施しながらまだ何か足りないと感じていた。100名の施設入所者は毎日食べることを楽しみにしており、懸命に食べることと向き合っている。
    人は口から食べ、美味しさを感じ、生きるためのエネルギーを充電している。食べる事を支えるために、歯科衛生士ができることは何かを模索していた時に出会ったのが「NPO法人摂食介護支援プロジェクト」である。そこで学んだ「食事支援」とは、摂食・嚥下訓練ではなく、安全に食べられるよう支援をしていくことだった。噛める義歯を入れる事も食事支援の一つであるが、食べる現場の観察から姿勢・食事形態の確認など、介護現場の職員全員で出来る事も支援の一つであるのだ。
    多職種連携・協働が必要とされている今、この取り組みを行うことで入所者の「食べる・生きる」を支えるための効果が実証されることを願いこの研究に取り組んだ。

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